新車を購入する場合、自分の欲しい車があれば、販売店の説明に従って簡単に購入することができます。
自分の気に入った車が予算内であれば、あとは特に悩まずに購入に進むことができるでしょう。
しかし、中古車の購入の場合は「簡単に」とはいきません。自分が乗車する前に、一人、あるいは数人が乗車しています。
大事に乗っていたのか、荒い乗り方をしていたのかは誰にも分かりません。前に乗車してきた人達の顔が見えないからこそ、中古車は慎重に購入する必要があります。
そして、新車であれば、カタログに掲載されている車を全国でいつでも購入することができます。
しかし、中古車の場合は、自分が欲しい条件の車が常に市場に有るとは限りません。中古車の購入は、新車のようにスムーズにいかないことが多いです。
中古車の購入で不安にならないように、事前に中古車購入の流れを納車の後まで確認をしておき、自信を持って中古車を購入しましょう。
目次
欲しい車を決める
まずは、欲しい車の条件を決めましょう。
欲しい車の条件が決まっていれば、中古車探しの際に効率良く探すことができます。ただし、予算の範囲内で決めることになります。
予算を決める
まずは、中古車購入にどれくらいの予算を投じることができるか決めましょう。
中古車は、
- 低年式や高年式
- 状態が良いものや悪いもの
- 人気か不人気か
などによって価格はピンからキリまであります。
決定した予算によって、購入できる中古車とできない中古車が判明します。まず最初に予算を決めておけば、余計な選択肢を減らして的を絞ることができます。
希望の車種を決める
どのような車種が欲しいのかを決定しましょう。
何も決めずに数ある中古車の中から闇雲に探すよりも、的を絞って探した方が効率が良くなります。
自分の使用用途や好きなデザイン、燃費などの様々な要素から車種を決定すると良いでしょう。
また、どの車種かだけでなく、グレードについても決めておくと良いです。グレードによって車の装備はかなり変わります。
自分の必要な装備が、どのグレードであれば装備されているのかを事前に確認しておきましょう。
グレードについても的を絞っておけば、更に効率良い中古車探しが可能となります。
欲しい車を探す
予算と欲しい車種が決定したら、欲しい車を探してみましょう。
中古車情報雑誌や、インターネットの中古車情報サイトで探すことが可能です。
インターネットの中古車情報サイトは、目当ての車種の検索を即座に行うことができます。
また、年式やグレード、価格などを細かく検索条件に入力することで、自分が欲しい条件の車がピックアップされます。
そして、インターネットの中古車情報サイトは、中古車の状態の写真を何枚も見ることができます。中古車の状態が確認できるので、安心して探すことが可能です。中古車情報サイトでの検索がおすすめです。
販売店で現車を確認する
欲しい中古車が見つかったら、販売店を訪問して現車の確認を行いましょう。既に売約済みの場合もあるので、事前に販売店側へ連絡を取るようにした方が良いでしょう。
エンジンを確認する
実際にエンジンを掛けて、異常が無いか確認をしましょう。中々エンジンが掛からなかったり、アイドリングが安定しなかったりしたら要注意です。
また、エンジンから異音が発生したり振動が大きかったりする場合は、何かしらのトラブルを抱えている可能性が高いです。
エンジンは車の最も重要な部分で心臓部なので、何か少しでも違和感を感じた場合は遠慮せず販売店に問い合わせましょう。
内装を確認する
車内は、ドライバーや同乗者が長時間過ごす場所です。そのため、内装が綺麗でないとストレスが発生したり、落ち着いて過ごしたりすることができない可能性があります。
特に、シートのへたれやシミなどの確認を行いましょう。
シートがへたれていると適正なドライビングポジションを保てないため、長時間運転をした際の疲労が倍増してしまいます。
また、シミがあると衛生上のストレスが発生します。
落ち着いて過ごせるような内装であることを確認しましょう。
外装・下回りを確認する
外装を確認して、塗装の剥がれやサビがないかを確認しましょう。更に、下回りもサビがないかを確認しましょう。
下回りは、石や泥、融雪剤の影響で、車の中で一番サビやすい箇所です。
見逃してしまうと後で余計な出費が発生するので、確実に確認をするようにしましょう。
また、ボディにへこみがないかの確認も必要です。
仮にへこみがあっても、販売店側が説明をしているものであれば良いですが、説明がなかったへこみを発見した場合は要注意です。
販売店側が隠しているか、見逃してしまっている可能性もあります。
信用できないと感じたら、販売店を変えることも必要です。
記録簿を確認する
記録簿が有る場合、記録簿を確認しましょう。記録簿を確認することで、前オーナーの整備記録を確認することができます。
記録簿を確認して、前オーナーが適正時期に適正な整備を行っていれば、車の状態は良好であると考えることができます。また、車に対して愛情を持ってカーライフを送っていたことも分かります。この場合、安心して購入を行うことができるでしょう。
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見積もりをもらう
車の状態が良好であれば、見積もりをもらいましょう。この見積もりによって、大方の価格が分かります。
価格は、車両本体価格と法定費用や諸費用を合計した価格になります。
法定費用は定められた価格となりますが、諸費用は販売店によって異なります。諸費用が高いようであったら、販売店に確認を取りましょう。
そして、見積もりをもらったタイミングで、値下げ交渉を行ってみるのも手です。他の販売店の車と迷っている旨を伝えてみると良いでしょう。見積額から値引きをしてくれる可能性があります。ただし、しつこくならないように注意が必要です。
契約・代金の支払い
中古車の状態や価格、販売店の対応などに納得ができたら、いよいよ契約を行います。販売店側が作成した契約書に、サインや捺印を行った時点で契約成立となります。
そして、車の登録業務を代行してもらうための委任状にもサインをしましょう。車の登録業務は複雑なため、通常は販売店側で代行して登録を行います。
契約には実印を使用するため、あらかじめ実印登録を済ませておきましょう。
また、印鑑証明書も必要となりますので、事前に発行をしておきましょう。軽自動車の場合は住民票が必要となります。しかし、実印と印鑑証明書は不要です。
契約時に代金の全額を支払うパターンや、一部を払って残りを口座へ振り込む方法、ローン契約などがあります。
支払い方法については、販売店側に確認を行いましょう。
車庫証明書の作成
車庫証明書がないと、中古車の購入を行うことができません。警察署に出向き、車庫証明書の申請を行いましょう。
車庫証明書の申請は、車を保管する場所の所在・配置図を記入します。申請して発行されるまでは、約1週間程はかかってしまいます。早めに申請を行いましょう。
また、軽自動車の購入の場合は、お住まいの地域によって必要であったり不必要であったりしますので、確認を行いましょう。
任意保険への加入
自動車が納車される前に、任意保険への加入を行いましょう。
任意保険の加入には自動車の車検証が必要となりますので、販売店にコピーしてもらいましょう。
「任意」という名前ではありますが、必ず加入を行いましょう。もし事故を起こしてしまったら、自賠責保険のみでは対人事故の慰謝料を払いきることは不可能です。任意保険への加入はマナーでもあるので、確実に加入しましょう。
納車
契約手続きや車庫証明書の発行などが完了したら、いよいよ納車です。契約から納車までは、おおよそ1週間から2週間程はかかるでしょう。
納車は、自分で販売店へ受け取りに行くか、自宅まで運んでもらうかのどちらかとなります。
自宅まで運んでもらう場合は陸送費が発生してしまうので、販売店がよほどの遠方でない限り、自分で受け取りに行くのがおすすめです。
納車後の車体チェックを行う
納車されて、早く運転したいというはやる気持ちを抑え、納車後のチェックを行いましょう。中古車の購入は、納車後まで気が抜けません。
販売店で確認した際にはなかった、ボディのへこみや傷がないかを確認しましょう。
エアコンや電装系、オーディオなどもチェックを行います。また、契約時に依頼を行っていた整備箇所が、依頼の通りに整備されているかの確認も行います。
その後実際に走らせてみて、エンジンやステアリング、ブレーキなどのチェックを行います。
もし違和感を感じたら、すぐに販売店へ連絡を行いましょう。
納車後すぐであれば、保証の範囲内で無償で整備を行ってくれる可能性が高いです。
まとめ
中古車購入の流れを納車の後まで説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
中古車は、色々な年代の車や希少な車、SUVやスポーツカーなど多種多様であり、どんな車を購入するのか考える楽しみがあります。
しかし、欲しい車種が市場に少なかったり、現車をくまなく確認したりと、新車と違って購入するまでに苦労が伴うのも事実です。
そんな中古車購入における苦労を軽減するため、中古車購入の流れを事前に予習して心に余裕を持たせましょう。
心に余裕があることで、きっと中古車の購入が楽しくなることでしょう。